2月, 2017年

太極拳観

2017-02-01

1.太極拳講座の歴史

中国4000年の歴史の中で、「武術」、「医術」、「養生法」などの歴史は紀元前に遡ります。太極拳も武術の流派のひとつですが、太極拳そのものの起源は明代末、1640年代と言われ、三百数十年前にできたものです。しかし、太極拳の運動哲理は、「老子」、「荘子」、「孔子」、「孫子」などの思想の影響をうけているものです(陰陽思想など)。中国の古代から連綿と伝わる智慧と文化に基づいて、幾多のすぐれた武術家によって作りだされたものが太極拳です。一般に武術とは徒手又は武器による人間と人間の闘争技術、格闘技術を体系化したもので、人類の歴史とともに古いものです。闘いの技術は、人間の生死存亡に関わる根源的な行動であるため、暴走しないように制御しながら発達させることが必要でした。太極拳は護身の技術であるとともに、発展するなかで教育、医学、社会学、芸術などと互いに影響を与え合い、多方面にわたって文化を発達させる要素ともなってきました。

本講座がスタートしたのが1980年、日中国交が回復され情報や人々往来とともに太極拳が知られるようになりました。TVでサントリーウイスキーのCMが放映されその動きに魅了され一気に太極拳ブームに火がつきました。その頃横浜に朝日カルチャー太極拳教室が出来一期生として入会、後に横浜日中太極拳講座を立ち上げた麹池和十さんと出会う事になります。スタートした時の練習場所は南太田の近くY高の隣の南センターの庭で始まりました。多い時で100名位の人々が集まり練習していたそうです。しばらくしてゲートボールのグループに場所をあけわたす事になり、センター2階のテラスを使う事になりましたが、この場所が狭く一度に多くの人が動けないので午前、午後の二部制になり、麹池和十さんから午後のクラス48式を引き受けて欲しいと依頼されました。この練習場所は屋根が無いため夏は太陽が燦々、雪や雨の日は玄関前のアプローチを借りて皆熱心に練習に励みました。

3年位たった頃には神奈川県内の太極拳教室やサークルもあちこちに出来、屋内で練習をしているので、当講座も大室元理事、辻元理事等の尽力で南地区センター等を使用出来るようになり午前、午後に分かれて練習していた3クラスが一緒に練習出来るようになりました。

2.太極拳とは

太極拳には伝統太極拳、制定太極拳の二つが有ります。 伝統太極拳は中国の無形文化遺産であり儒教、道教哲学、陰陽理念、経絡学、古代導引術、吐納術を取りいれた武術であります。

伝統太極拳で最もポピュラーな太極拳は楊式太極拳で24式の元となった太極拳です。そして伝統太極拳の東洋医学、養生学を深く取り入れた鍛練方法が徐々に心身の健康という面で大きな発展を遂げる健康法として知られるようになり、1956年に中国の国家機関でもある体育運動委員会が多くの人々の健康法として太極拳を学びやすくする為に、編集されたのが制定太極拳の簡化24式です。その後48式 88式 32式剣等が制定されました。

現在、日本では大半が制定太極拳を練習しています。伝統太極拳も制定太極拳も健康法として取り入れるのであれば、どちらも同じ効果があります。太極拳を始めるには形を正確に一式一式体で覚えていきます。型や套路を多く覚えれば良いというものではありません。太極拳の運動体系(理論)を基礎として練習を積み重ねていき、太極拳、剣、推手へと進みます。太極拳といえば「ゆっくり動く」イメージが多く持たれています。このゆったりとした動きの中から深い呼吸を伴い気持ちが平静となり、姿勢も良くなり感覚も敏感となります。太極拳の大事な要求に放松(ファンソン)が有ります。緊張を解き放し、リラックスする事で力を抜くということで簡単な事のようですが、極めて難しく、太極拳の練度に応じて無限の階層が有るようです。

3.太極拳の効用

様々な年代が愛好する太極拳、その健康への効用は多岐にわたります。体を動かすことは大変良い結果を生みます。わけても太極拳は筋肉・関節をゆっくりと動かし、無理のない形で血流を増やし体の隅々まで気血の流れを促します。足腰の筋力強化、骨の内側のインナーマッスル、全身の関節の柔軟性、バランス能力、体の動きの調整能力等を向上させます。
そして認知症の予防、転倒防止、内臓諸器官の健全化、老化防止、等にも役立ちます。太極拳は、幅広い年齢層が生涯を通じて練習を続けることができる「生涯スポーツ」です。高齢者にとっては介護予防の観点からも必要な事になってきています。

健康で長生きすることこそが目的です。

太極拳講座 講師 徳田清方

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