会長挨拶

2018年 年頭あいさつ会長

皆様あけましておめでとうございます。新年を迎え、改めて今年の目標や夢を思い描いておられることと存じます。
昨年は日中国交正常化45周年の年でありました。この45年間、ご存知のように政治的には紆余曲折がありましたが、民間の相互交流は、あらゆる分野で飛躍的に増大しました。それに伴い、日中両国民は、以前より豊かで、未来に希望のもてる社会を築きつつあるように見えます。私たちの活動や体験からも、交流は相互理解を促進させ、友好平和の推進力になっていることを実感いたします。

さて、昨年のような節目の年、この節目には扱い方によって記憶の活性化など様々な効用があるように思われます。中国とのお付き合いが増えるにつれ一層強く意識するようになったように思います。さすが暦を発明した国、また「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや」つまり復習の積極的活用が孔子の時代から叫ばれていた、などその背景も様々だと思いますが、節目での復習や見直しが未来への展望、新たな発見や教訓へつながるケースは多く、留意すべきことと思います。

1992年に始まったユネスコの「世界の記憶」(世界の記憶遺産)は、地球規模で上記の効果をねらったものと言えましょう。昨年、朝鮮通信使に関する資料が登録されました。朝鮮国王により室町時代に始まった使節団の派遣は、豊臣秀吉の朝鮮出兵で途絶えますが、江戸時代になって復活します。今回の登録で、危機を乗り越え友好関係の増進に果たしたその役割と意義に関心が集まることでしょう。「世界の記憶」では2015年に「南京大虐殺の記録」が登録されています。政治的意図があると批判されました。ノーベル平和賞についてもそういわれることがありますが、世の中の出来事で政治的に無色透明なものはほとんどないと言っていいくらいですから、要はそこからどういう教訓を得、それをどう将来に生かしていくかという問題でありましょう。私たちが2016年に実施した「中国東北部史跡を巡る列車の旅」の時の印象ですけれども、例えば「九・一八歴史博物館」の終盤の展示は悲劇を繰り返さないためにどうすべきかを考えさせる工夫がなされていました。他の展示館でもそういう意識で展示物の見直しと変更が行われているといいます。

ところで、45年をさらにもう100年さかのぼる1872年、横浜港でマリア・ルース号事件が起きています。人道主義に基づく徹底審理と迅速な判決の結果、ペルーの帆船に乗っていた約230人の清国人労働者全員を解放し清国に送り届けました。現在、この時の裁判長大江卓(当時神奈川県権令、晩年には被差別部落解放運動に尽力)を「世界の記憶」に登録させようと、大江の故郷・高知県宿毛市と大江の子孫らで申請運動に取り組んでいます。いずれ横浜にも呼びかけがあるかと思います。

私たちの活動についてみますと、昨年7月、ほぼ10年ぶりとなる大型のコンサート「音楽で結ぶ友好の橋」を横浜市民文化会館関内ホールで開催し、ホールを満席にするとともに内容的にも大変好評を得ることができました。また、私たちは、日常活動とともに県日中友好協会をはじめとする各協会の行事へも積極的に参加いたしました。そして、11月には上海市を拠点に自由行動を大幅に取り入れた訪中旅行を実施しました。お蔭様で、上海師範大学の支援も受けて、実のある学習と交流活動を展開することができました。これらの成果を今後の活動の深化発展につなげていくことが当面の課題です。会員をはじめ皆様のご協力を切にお願いする次第です。

横浜日本中国友好協会 会長 飯田助知

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